【保存版】中小企業のGXはこう始める!手間とコストをかけずに進める5年モデル
- pakiraadtime
- 7月16日
- 読了時間: 5分
“GXは大企業の話”だと思っていませんか?カーボンニュートラル、脱炭素、再エネ、省エネ……聞こえはいいけれど、
「そんなこと、うちの会社には関係ない」
「うちは従業員10人もいないし、電力契約も一般の低圧だよ」
そう思っている中小企業経営者の方も少なくないはずです。
しかし、GXは大企業だけのものではありません。むしろ中小企業こそ、小さく始めて、柔軟に取り組める強みがあります。そして、うまく取り組めばコスト削減・信用向上・人材確保・新事業展開など、経営的なメリットにつながります。
「手間とコストをかけずにGXを進める5年間の実践スキーム」を具体的に解説します。これからGXを始めたい中小企業の方にとって、最初の一歩を踏み出すガイドになれば幸いです。

1年目
まずは「GX宣言」から。行動よりも姿勢を示す
GXの第一歩は、「行動」ではなく「意思表示」です。中小企業のGXは、最初から完璧な削減計画を立てる必要はありません。「これから環境に配慮した経営を目指します」という姿勢を見せるだけで、社内外の空気が変わります。
【具体的アクション】
代表メッセージ付きの「GX宣言」を作成・発信(Web掲載や社内掲示)
社内ミーティングや朝礼で、「うちもGX始めます」と共有
GHGプロトコル(Scope1・2)をざっくり調べておく(無料ツールあり)
【ポイント】
専門用語を使わず、社内にも伝わる言葉で宣言するのがコツです。「とりあえずやってみる」という温度感でOK。宣言を通じて、社員の意識が変わり始めます。
2年目
省エネを“見える化”して、できることから動く
宣言をしたら、次は「何にどれくらいエネルギーを使っているか?」を知ることから始めましょう。例えば、エアコンの設定温度や、照明のつけっぱなし。大きな投資をせずとも、見直すだけでエネルギー使用量は減らせます。
【具体的アクション】
電気・ガス・ガソリンの使用量を月単位で記録(ExcelでもOK)
省エネ行動を社内で決める(例:28℃設定・消灯ルール・社用車のアイドリング禁止)
補助金情報の収集(Jグランツやミラサポplus)
【ポイント】
数字が見えると「削減できた実感」が生まれやすくなり、社員の行動に任せるのではなく「習慣化」させることが大事です。補助金のことを知ることで、対象になる設備投資を視野に入れ始めます。
3年目
設備更新と証書活用で“数字”として削減する
3年目は、いよいよ「削減の見える化」フェーズです。省エネ設備への更新や、再エネ証書(非化石証書など)の導入を進めれば、実際にGHG排出量(Scope1・2)を数値として削減できるようになります。
【具体的アクション】
照明をLED化、エアコンを省エネ型に更新(補助金を活用)
電力会社の「再エネメニュー」に契約変更
非化石証書の購入により「再エネ利用証明」を取得
年次のGHG排出量報告書を作成(簡易でOK)
【ポイント】
補助金を使えば導入コストは3〜5割軽減可能になります。Scope2(電力)の削減は、比較的簡単に見える化でき、契約メニュー変更によって排出量削減も期待できます。また、簡単な報告書を作ると、外部向けの信頼感もアップします。
4年目
外に発信し、地域や取引先とつながる
ここまで来ると、「ウチ、けっこうやってるかも?」という手応えが出てきます。4年目は、その成果を社外に発信していくフェーズです。発信することで、地域や取引先、顧客との関係性が変わります。
【具体的アクション】
自社のHPやSNSに、GXの取り組みを紹介
自治体や商工会のGXプラットフォームに登録
取引先と「一緒に削減できること」を共有する
製品・サービス単位でのカーボンフットプリント(LCA)を簡易導入
【ポイント】
「見せ方」を工夫するとブランディング効果が高まり、SDGsやESGに関心が高い若手人材の採用にも効果的です。地域との連携で、新しい支援や事業の可能性がでるのでビジネスの幅が広がります。
5年目
GXを価値化し、ビジネスに変える
最終年は、GXを“経費削減”ではなく、“事業価値”へ転換するフェーズです。GXで培った知見や姿勢を、自社の商品・サービス・ビジネスモデルに取り入れていきます。
【具体的アクション】
環境配慮型の新商品・パッケージを開発
サービスに再エネ利用やCO2削減の付加価値を追加
他の中小企業へのGX支援・講演・情報提供などを展開
業界紙・自治体広報などでロールモデルとして紹介される
【ポイント】
GXは経費ではなく「投資」です。顧客や取引先に「選ばれる理由」になり、他社との差別化ポイントとして重要な役割を果たします。
GXのロールモデルを5年間で構築
理解 → 計測 → 削減 → 発信 → 価値化
1年目:GX宣言・社内勉強会
2年目:省エネ記録・行動
3年目:補助金活用・証書導入・報告書作成
4年目:発信・地域連携・取引先との協業
5年目:商品価値化・事例発信・収益化
この流れで進めれば、5年後には「GXに取り組む中小企業のロールモデル」として、地域や業界から注目される存在になっているはずです。
まとめ
GXは“未来への投資”、そして“中小企業の強み”になる
中小企業のGXは、「義務」ではありません。けれど、取り組んだ企業から順に、未来の市場で有利な立場に立てるのは確かです。
経費削減につながる
社員の意識が高まる
信用力や採用力が上がる
新しい商品やサービスが生まれる
地域や顧客から選ばれる企業になる
これはすべて、GXを少しずつ進めた結果、自然と得られる「副産物」です。中小企業にとって大切なのは、大きく始めないこと。小さくても、確実に動くことです。その積み重ねが、企業の価値を着実に高めていきます。


