中小企業が進めるGX化で信頼性を持たせる方法とは?
- pakiraadtime
- 2025年7月14日
- 読了時間: 4分
更新日:2025年7月15日
近年、気候変動対策や脱炭素社会への移行に伴い、「GX(グリーントランスフォーメーション)」という言葉が注目されています。GXとは単にCO2排出量を減らすだけでなく、企業活動そのものをより持続可能な形に変えていく取り組みのこと。大企業ではすでに多くの実践例がありますが、今後は中小企業にもその波が本格的に押し寄せてきます。
その中で重要になるのが、「自社のGX活動の信頼性」をどう担保するか、という点です。どれだけ脱炭素に取り組んでいても、第三者から見てそのデータや目標に信ぴょう性がなければ、取引先や金融機関、行政からの評価にはつながりにくくなります。
そこで注目されているのが「保証付きGX」の取り組みです。この記事では、中小企業がGXを進める上での「数値や目標に信頼性(保証)を持たせる方法」と、それにかかるコストや手間について、具体的に解説していきます。

GXにおける「保証」とは何か?
GX活動の「保証」とは、簡単に言えば「この会社が出している排出量のデータや削減目標は信頼できる」と第三者が認めてくれる仕組みのことです。これにより、次のようなメリットが得られます。
ESG評価や補助金申請の信頼性向上
サプライチェーン(取引先)からの要請への対応
脱炭素の実行力がある会社としてのブランド力
この保証には、以下の2種類の側面があります:
目標に対する保証
目標が科学的に妥当かどうか(例:SBT)
数値に対する保証
排出量データが正確かどうか(例:ISO 14064)
目標に保証をつける方法 - SBTとは?
SBT(Science Based Targets)は、企業の温室効果ガス削減目標がパリ協定の気温上昇抑制目標(1.5℃、2℃未満)と整合しているかを第三者が審査・認定してくれる制度です。
【SBTi for SMEs】
中小企業には簡易版SBTの申請制度があり、次のような特徴があります。
Scope3(間接排出)の開示は不要
削減目標はテンプレートから選べる
審査費用はおよそ1,000ドル(約15万円)
認定後はロゴ使用や社外発信が可能
*手間と注意点
提出書類は簡素だが、算定基礎(排出量データ)は必要
英語でのやり取りが発生(外部サポートを検討する企業も多い)
数値に保証をつける方法「ISO 14064」とは?
ISO 14064は、GHG(温室効果ガス)排出量の算定・報告・検証を国際的にルール化したISO規格です。ISO(アイエスオー)とは、国際標準化機構(International Organization for Standardization)の略称で、製品やサービス、マネジメントシステムに関する国際規格を制定する非政府機関です。
【主な構成】
ISO 14064-1
排出量をどう算定・報告するか(企業が自社で実施)
ISO 14064-3
その算定結果が正しいかを第三者が検証(検証機関が実施)
【導入の流れ】
Scope1(燃料等)とScope2(電力)の排出源を洗い出す。
使用量 × 排出係数でCO2排出量を計算(Excelなどで管理)。
レポートにまとめて、ISO 14064-1準拠の形に整える。
希望に応じて、ISO 14064-3で外部検証を受ける。
【費用感】
自社での算定:無料〜数万円(ツール次第)
検証機関への依頼(限定的保証):20〜50万円程度が相場
中小企業が現実的に取り入れる方法
「保証付きGX」に取り組むには、すべてを一気にやる必要はありません。以下のような段階的なアプローチが現実的です。
【ステップ1】
社内で排出量の見える化(Scope1・2)
無料のGHG算定ツール(環境省など)を使う
Excelでの記録管理からスタート
【ステップ2】
排出削減目標の設定
SBTi for SMEsで科学的妥当性を確保
補助金申請や営業資料でも使える
【ステップ3】
数値に信頼性を加える
ISO 14064-1準拠で社内レポートを整備
希望すれば第三者検証(14064-3)を受ける
【ステップ4】
社外発信でGXブランドを構築
自社ホームページ・会社案内・ESG報告書に記載
補助金、自治体連携、サプライヤー対応にも活用可能
まとめ :中小企業でもGXに「保証」を
中小企業にとってGXはコストのかかる話に見えがちですが、国際的に整備された仕組みを活用することで、
最小限の手間で
最低限のコストで
最大限の信頼性を得る
ことができます。特に、SBTやISO 14064は「やったことを確かに見せる」ための武器になります。ESG対応が当たり前になっていくこれからの時代、いまのうちから「保証付きGX」を進めておくことが、自社の未来を支える第一歩になるのです。


