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脱炭素だけじゃない! GXを本当の意味で理解しよう

  • pakiraadtime
  • 7月9日
  • 読了時間: 5分

「GXって、結局"脱炭素"なんでしょ?」最近よく聞くGX(グリーントランスフォーメーション)という言葉。多くの人が「GX=脱炭素」「GX=カーボンニュートラル」と思っているかもしれません。もちろん、GXは脱炭素を大きな柱としています。 ですが、それだけでは不十分です。GXとは、本来「環境対策にとどまらない、社会・経済の根本的な変革」なのです。


この記事では、GX初心者の方にも分かりやすく、「GX=脱炭素ではない」と言える理由を、事例や国の方針も交えて解説します。


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目次

  1. GX(グリーントランスフォーメーション)とは何か?

  2. GX=脱炭素という誤解の背景

  3. GXが目指すのは「経済と環境の両立」

  4. GXは“変革”の多様なテーマ

  5. 事例で見るGXの多様性

  6. SDGs・DX・SXとの関係

  7. GXを進める上での課題と可能性

  8. まとめ:「GXは未来をつくる全体改革」


1. GXとは何か?

GXとは、Green Transformation の略で、日本語では「グリーントランスフォーメーション」。政府の定義によると、GXは以下のように位置付けられています。


経済社会の脱炭素化に向けて、産業構造や社会構造を根本的に変革し、成長につなげていく取り組み (経済産業省「GX実行会議」より)

つまり、「環境のために我慢する」ではなく、環境対応をきっかけに社会全体を成長させる改革なのです。



2. GX=脱炭素という誤解の背景

多くの人が「GX=脱炭素」と思ってしまう理由には、いくつかの背景があります。


・カーボンニュートラルが強調されがち

2050年までの「カーボンニュートラル(実質排出ゼロ)」という政府目標が先に報道され、GXという用語がその延長線上で使われ始めたため、「GX=脱炭素」と認識されがちです。


・GXの“G”が「グリーン」=環境と直結

「グリーン」という言葉が入っていることで、環境・自然エネルギーというイメージが強まり、それがすなわちCO₂削減だと短絡的に理解されやすいのです。しかし、実際にはGXは「トランスフォーメーション=社会全体の変革」に重きが置かれています。



3. GXが目指すのは「経済と環境の両立」

GXの本質は、環境と経済を両立させることにあります。つまり、「脱炭素」はその“手段”のひとつにすぎません。経済成長のために、以下のような変化を起こすことがGXの本当の狙いです。


  • 省エネ技術や再エネ設備への投資による新たな雇用創出

  • 地域エネルギー自立による地方活性化

  • 環境に配慮した企業が資金を集めやすくなるトランジション・ファイナンスの発展


つまり、「環境にいいこと」ではなく「経済を変える」ことがGXの本質なのです。



4. GXは“変革”の多様なテーマ

GXが対象とするのは、実は再エネやCO₂削減だけではありません。次のようなテーマもGXに含まれます。

テーマ

GXとの関係性

再生可能エネルギー導入

脱炭素の基本施策

地域循環型経済

地域で生産・消費するエネルギーと資源の仕組み

サーキュラーエコノミー

廃棄物の削減と再利用

自然資本の再生

森林保全や生物多様性の回復もGXの一部

グリーン金融

環境配慮型プロジェクトに資金を回す動き

脱炭素モビリティ

EV、燃料電池車、シェアリングの導入

このように、GXは社会インフラや産業、地域、暮らしそのものを変えていく包括的な取り組みです。



5. 事例で見るGXの多様性

いくつかの事例から、GXの広がりを見てみましょう。


▶︎トヨタの「水素社会」構想

EVだけでなく、燃料電池車(FCV)を軸とした水素を使ったエネルギー循環社会を推進。これは再エネとは違う脱炭素のアプローチですが、GXの中心的な事例です。


▶︎北九州市の地域エネルギー会社

ごみ発電やバイオマス発電を使って地域の中でエネルギーを回す取り組み。地域経済を支えるGXとして注目されています。


▶︎サントリーの「水のサステナビリティ」戦略

森林の保全や地下水の涵養など、自然資本を守る活動をGXと位置づけ、環境投資と一体化しています。


これらはすべて、「CO₂を削減する」だけでないGXの側面です。



6. SDGs・DX・SXとの関係

GXは単独で存在しているのではなく、他の改革と連携しています。


SDGs(持続可能な開発目標)

→GXは主に目標7(エネルギー)、13(気候変動)、15(陸の豊かさ)などに対応。


DX(デジタルトランスフォーメーション)

→GXを進めるには、エネルギーデータの可視化や最適制御といったDX技術が必須。


SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)

→企業の持続可能性を経営に組み込む流れで、GXもその柱。


GXはまさに、持続可能な社会と未来をつくる「実行フェーズ」なのです。



7. GXを進める上での課題と可能性

GXの推進には、以下のような課題もあります。


  • 中小企業にとってのコスト負担

  • 新技術の不透明な収益性

  • 地域によっては再エネインフラが整っていない

  • 市民・企業の意識のギャップ


しかし同時に、GXは新たな産業や雇用、資金循環を生み出す大きなチャンスでもあります。たとえばGX銘柄に投資が集まり、グリーンな企業が評価される時代がもう来ています。



8. まとめ:「GXは未来をつくる全体改革」

最後に、この記事の要点を整理します。


  • GX=脱炭素ではない。「脱炭素」は一部にすぎない

  • GXは社会全体の変革(トランスフォーメーション)を目指す

  • 経済と環境の両立が真の目的

  • 森林保全、地域循環、グリーン金融なども含まれる

  • GXは、未来の成長と社会の持続性のための大改革


GXは「環境のために仕方なくやるもの」ではありません。未来に希望をつなぐ、新しい経済と社会のかたちなのです。

 
 
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